古いPCはどの程度Web開発に使えるか?

古いPCはどの程度Web開発に使えるか?

2020年12月27日



古い PC はどの程度 Web 開発に使えるか?

今回、先日発売された M1 チップ搭載の Mac を購入したのを機械に Firebase などを利用した Web 開発に必要な PC はどの程度の仕様の PC が必要かを検証しています。

前回は、使用するメモリが増えた場合の PC の挙動を調べるため、Google Chrome で沢山の YouTube ビデオを再生しているタブを開いて、Vue の公開用のイメージを作る時間を調べてみました。

新しい、M1 は途中で Vue UI のローカルサーバがクラッシュしてしまいましたが、クラッシュする直前まで Vue の公開用のイメージの作成時間は大きな落ち込みもなく、実用上は全く問題ないことが分かりました。 予想に反して Windows10 は、Vue UI のローカルサーバがクラッシュすることもなく、まだ Google Chrome のタブをひらける感じでした。ただ、ビデオの再生は途中早い段階からスムーズな再生ではなくなっている事も確認できました。実用上は、M1 の Mac よりは早い段階で性能が落ち込むようです。

こうした実験結果を踏まえて古い PC はどの程度 Web 開発に使えるのかを検証してみました。

実験結果から Web 開発で必要な PC は?

最初にメモリの容量ですが、8 GB あればとりあえず Web 関連の開発をするには十分と言えます。 ただし、最近のアプリは Google の Chrome も含めてメモリの使用量が大きくなってきているので、OS が実際に処理している仕事にメモリを割り振るために、ストレージに不要なデータを退避させることが多くなります。(いわゆるスワップです)

こうした、事情を考えると、ストレージのアクセスは速い方が有利です。そう考えると、メモリの容量を増やすよりは、ストレージにハードディスクドライブを使うようり、SSD を選んだ方が高速でのアクセスが可能になるので有利です。通常の開発に必要なアプリなどを入れても容量は128 GB 程度あればとりあえず十分ですが、余裕を見て 256GB 以上あると安心です。Mac の場合は自分で増設するのがほぼ不可能なため、あらかじめ必要なストレージ容量のモデルを選ぶことが重要です。

最新の M1 チップ搭載の Mac の場合、最安値のモデル、8 GB メモリ、256 GB のストレージ(SSD)で通常は十分です。Mac の場合、メモリを16 GB にすると約2万円、ストレージ容量を2倍にすると約2万円高くなります。それを考えると、現行の M1 のモデルの場合、8 GB メモリ、256 GB ストレージ(SSD)のモデルで通常は十分で、これなら、Windows の PC よりやや高い程度の値段で購入できます。

手持ちの PC でも通常は十分です

これからプログラミングを始めようと考えている方の多くは PC の新規購入を考えると思いますが、まずは手持ちの PC でやってみるのがお勧めです。というのも、8 GB のメモリがあれば取り敢えず十分だからです。もし、ストレージがハードディスクドライブの場合は、SSD に変更するだけで、古い PC でも見かけ上は速くなった感じで使えます。 なので、メモリが8 GB ある場合、ドライブを SSD に替えることをお勧めします。

もう一つは、OS です。Windows 10は最初のバージョンは約 5 年前にリリースされています。古いバージョンではメモリの使用容量が増えると、性能の落ち込みが大きかったように思います。現在は、以前の古いバージョンの Windows 10で稼働している PC を持っていないので、具体的な数値を示せませんが、先日の実験結果を見ても、最新版の Windows10 だと、メモリ管理もかなり改善されているようでした。従って、できれば Windows を最新のバージョンにして利用するとスムーズに開発を行えると思います。

Windows の場合は、無料でアップグレードができるので開発の途中でなければアップグレードされることをお勧めします。

CPU は多少古くてもあまり問題ありません!

CPU は多少古いものでも取り敢えず開発でも十分利用できます。実際はベンチマークテストの数値の差ほどの性能は余り出ません。もちろん、古い CPU の場合処理時間は少し余計にかかる場合がありますが、これも少し待ち時間が増える程度です。

エディタでプログラムを入力するのは、人間のタイプのスピードがそれほど速くないため殆ど差が出ません。先日の実験のように、Vue の公開用のイメージを作成するなど、CPU でデータ処理をする場合は多少差が出ます。

先日の結果をみると、ある Vue の公開用イメージの作成時間は、

  • M1 Mac で20秒程度(3.2GHz)
  • 第4世代のインテルの Core i3(2 015 年)で約40秒(モバイル用なのでクロックは 1.7GHz)で約40秒
  • Penium G3258 (3.2GHz)(2014 年)で約30秒

です。最新の M1 Mac は確かに高速ですが、6 年前のデスクトップ CPU の Pentimum G3258 でも30秒で処理ができます。デスクトップ用の CPU の方が、消費電力や冷却の制限が少ない分、高速のクロックでの使用が可能な CPU が多く、ラップトップよりは処理能力が高い場合が多くなります。ただし、差は限定的ですので多少処理に時間がかかる程度です。

ネットワークのスピードは結構違います!

古い PC の場合、サポートしているネットワークのスピードは結構大きな差が出ます。 特に、アップロード、ダウンロードを行う場合、古い PC は不利になります。

最新の規格の WiFi は、非常に高速になっていて、私の家のインターネットの契約はダウンロードで最大500 Mbps ですが、最新の WiFi アダプタや M1 Mac などでは最大スピードに近い値が出ますが、ふるい Intel Core i3 の PC についている WiFi では、40Mbps 程度しか出ません。

これは、Web 開発でも NPM などを使ってインンターネットからモジュールを取り込んで使用する場合のダウンロード時間に関係してくるので、CPU の性能差より影響が大きいです。

従って、少し古い PC を利用する場合、ネットワークアダプタを新たに購入して PC につけると(USB や PCIe スロット)ネットワークの性能は改善できます。Intel Core i3 の約 5 年前のラップトップでも、AC1200 の規格の USB の WiFi アダプタをつけたところ、約 40Mbps から 200Mbps 程度に改善されました。

別の Pentinum   G3258 のデスクトップも、新しい WiFi アダプタを PCIe スロットに増設したところ、500 Mbps 近いスピードで利用できるようになりました。

実際に古い PC で開発していました

最近、M1 Mac を購入しましたが、それまでは、5 年前に購入した Intel Core i3 のラップトップで Web 開発を行っていました。

  • 8GB メモリ
  • 512 GB   SSD
  • AC1200 相当の USB   WiFi アダプタ

これで、Firebase を使った、React/Vue のフレームワークを使った Web サービス・Web アプリの開発を行っていましたが、大きな問題はありませんでした。OS は Windows10 の最新版を利用しています。(現在でも現役で利用しています)

実際に、最新の M1 Mac に比べると、NPM のモジュールのインストールや React や Vue のプロジェクト作成は時間が少し余計にかかりますが、機能的には大きな問題ではありません。公開用のイメージの作成なども少し待ち時間が長くなりますが、許容範囲内です。

複数のプロジェクトフォルダのソースコードをエディタで開いて、バックエンドとフロントエンドで別の開発用のサーバを動かして開発することもありますが、大きな問題はありません。5 年程度前の PC でも十分現役で使えます。

まとめ

結論から言うと、古い PC でも十分 Web 開発を行うことができます。

少なくても、5 年程度前の Windows10 の PC ならば十分です。 お勧めの PC の仕様としては

  • 8GB メモリ
  • 128GB 以上の SSD のストレージ
  • 最新の WiFi アダプタ
  • 最新版の Windows10

ならば、十分に Firebase などを使った Web 開発を行う事が可能です。

特に、プログラムの学習やフリーランスとして Web 開発を受注する場合はまずは手持ちの PC で開発されることをお勧めします。その上で、必要な新しい PC の購入を検討されると、実際に本当に必要な PC の性能や仕様がある程度わかるかと思います。

確かに、大きなメモリやストレージ容量があった方が良さそうですし、高性能の CPU の方が速く処理できます。しかし、多くの Web 開発の場合、価格差程の性能差がない場合が多く必要以上の PC を購入するケースもかなり多いと言えます。ゲームやビデオ編集などメモリや CPU の処理能力を求められる場合は別ですが、ソフトエウア開発では多くの方が思っている程高性能の PC は必要ない場合が殆どです。

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