Windows10とMacOS(BigSur)でメモリ管理の比較をしたら?
Windows10とMacOS(BigSur)でメモリ管理の比較をしたら?
2020年12月26日
Windows10 と MacOS(BigSur)でメモリ管理の比較をしたら?
最近、新しい Mac(M1 MacBook Air)を買ったので色々なテストをしています。 前回までの記事で、Firebase などを使った Web 開発が主目的の場合、エントリモデルの8 GB メモリ/256 GB の SSD のモデルでも十分と書いていますが、もう少し具体的な根拠がないかと思い、少しメモリの使用容量のテストをしてみました。
MacOS (BigSur)は動作の限界がありました
結論から書いてしまうと、MacOS の方はテストの途中で限界に達しました。 このように書くと、Windows 10の方が良いのか?という疑問も出てきますが、今回行ったテストは現実的な PC の使用形態でのテストではないので、結果を見ると実用上問題になる物ではないと言えます。
行ったテストは?
Web 開発ということで、Vue のプロダクションイメージ(公開用のデータ)を作るのにかかる時間を計測しました。 計測は、あるプロジェクトで作った UI をビルドする時間を Vue UI が表示する時間を基準に比較を行うという物です。
基準の時間は、システムを起動して Vue UI の GUI を起動して、公開用のデータをビルドした時の時間を基準にしてメモリの使用量を増やして行くとどの様に処理時間に影響が出るかを調べた物です。
最初に時間を計測した後、幾つかアプリを立ち上げています。
- Vscode で3つのプロジェクトフォルダを開く
- Adobe のアプリ(フォトショップ、ライトルーム、イラストレータ、プレミアプロ)を開く
- Microsoft のオフィス(ワード、エクセル、パワーポイント)を開く
その上で、Google Chrome のタブを一つづつ開いて、YouTube のビデオを再生することでメモリの使用量を増やした上で、同じ公開用のイメージの作成時間を測るという方法でデータを取りました。
比較は2台の PC でおこないました
- M1 MacBookAir (BigSur)
- Intel Core i3 (4005U/4th Gen) (Windows10/20H2)
どちらもメモリは8 GB です。
最初の処理時間
普通にシステムを立ち上げてイメージをビルドした時間です。 当然、最新の CPU を搭載している Mac の方が高速で約2倍程度の差があります。
M1 Mac(sec) | Core i3 4th Gen(sec) | |
---|---|---|
Vue イメージ作成 | 22 | 40 |
条件は同じではありませんが、この時のメモリの使用容量は、
Mac (M1) | Windows(Core i3) | |
---|---|---|
Vue イメージ作成事 | 4.8 0GB | 5.65 GB |
でした。
YouTube を再生するタブを増やしていくと
Google Chrome のタブをあけて YouTube の再生を行う数を増やしていくと、処理時間が多くなって行きます。Mac の場合、YouTube の再生タブが42になった時点で Vue UI のサーバーがクラッシュしました。Windows10 の場合は47でもタブを開いて再生できました。しかし、Windows の場合、途中から(20を過ぎたあたり)から動画の動きがスムーズでなくなり、タブは開けられるものの実用的ではありませんでした。Mac の方はクラッシュする直前まで実用範囲内でした。
Mac(M1)(rasio) | Windows(Core i3)(recio) | 備考 | |
---|---|---|---|
1 | 22.4(1.0) / 5.4GB | 40.2(1.0) / 6.5GB | |
5 | 22.2(1.0) / 4.6GB | 44.8(1.1) / 6.7GB | |
10 | 21.9(1.0) / 6.0GB | 50.2(1.3) / 7.1GB | |
15 | 22.5(1.0) / 6.3GB | 53.3(1.4) / 7.2GB | |
20 | 23.2(1.0) / 6.4GB | 56.8(1.5) / 7.1GB | |
25 | 23.7(1.1) / 6.4GB | 57.5(1.5) / 6.7GB | |
30 | 23.9(1.1) / 6.5GB | 69.1(1.8) / 7.0GB | |
35 | 32.3(1.4) / 6.7GB | 72.1(1.8) / 6.7GB | |
40 | 48.4(2.2) / 7.3GB | 86.4(2.2) / 7.2GB | |
45 | -- / -- | 122.2(3.1) / 7.4GB | Mac は開発用のサーバーがクラッシュ |
Mac の場合クラッシュしてしまいましたが、タブが30前後までは、処理時間に大きな変化はなく、実用上どちらが上かと言うと Mac の方が実用上は上です。ただし、これはメモリの管理能力だけではなく、CPU の処理能力も関係しているので比較するのは少し無理があると言えます。
Windows 10の方は、Vue のイメージ作成中は概ね 7.5GB から 7.7 GB のメモリを消費する感じで、上手く必要なメモリを確保しているようです。Mac の方は徐々に使用容量が増えていく感じでした。Mac の方がメモリ上に圧縮したイメージを残しているようで、このサイズが増えすぎるとクラッシュしてしまうようです。Windows 10の場合は圧縮したイメージは100 MB 程度しか使用していないようです。
これからわかることは?
子の実験からわかることは、OS が使うメモリを上手く管理しているということです。実際にアプリを沢山起動したり、Web ブラウザのタブを沢山開いた場合、多くのメモリが必要になります。しかし、OS が上手く調整してくれるので何もしていない場合にメモリの半分以上を使用しているとしても、負荷の高い仕事を動かしてもメモリがすぐに不足すると言うわけではありません。
動画の編集の場合、一度に大量のメモリが必要になることもあると思いますが、短い動画の場合は、実験の結果を見る限り十分 OS が管理できる範囲だと考えられます。つまり、多くの PC で行う仕事は常識的な使用では、メモリ不足で仕事ができなくなる可能性は少ないという事です。
もちろん、狭いメモリの範囲をやりくりする事を考えると、大きなメモリがあった方が高速に仕事ができるのも事実です。しかし、YouTube のビデオ再生のタブを30個開けても処理時間が余り変わらなかった事を考えれば実用上は、8 GB のメモリで遅くなると言うのは殆どないと考えても良さそうです。そう考えると、エントリモデルの8 GB のモデルはお買い得と言えるのではないでしょうか?
まとめ
Firebase などの Web 開発を行う場合、Mac に限らず、8 GB のメモリがあれば、最新の Windows10 をインストールしていれば、殆どの場合十分に対応できると言えます。
ただ、負荷をかけた場合、実用的な処理ができる限界は MacOS の方が上という印象です。 Mac はある時点で、アプリがクラッシュすることがありましたが、実用上は大きな問題ではないと思います。Windows は処理時間の低下が早い段階でおきましたが、これは CPU の処理能力も関係していると思われます。
機会があれば、最新の CPU を使った状態での Windows のテストをしてみようと思います。
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