知っていると得する「役割」と「責任」

知っていると得する「役割」と「責任」

2021年7月26日



知っていると得する「役割」と「責任」

「役割」と「責任」は、知っているといろいろ便利で得することが多いものです。この記事では、何故得するのかを紹介しています。

シリコンバレーの仕事では常識!

「役割」と「責任」は、英語では、「role and responsibility(R & R)」と言われます。 シリコンバレーというかアメリカでは、仕事にはこの「役割」と「責任」というのが、ほぼ全ての仕事に割り当てられていて、採用もこれをベースに行うのが普通です。仕事の募集要項にも、これに相当する記述が書かれているのが普通です。

簡単に言うと、「何をするのか(役割)」と「求められる成果(責任)」です。

例えば、あるプログラマの仕事の場合、

  • 役割:XX の処理を行うモジュールの、仕様設計とコーディング、及び基本機能のテスト
  • 責任:担当モジュールの、設計仕様書、XX の処理を行うモジュール(プログラム)、基本機能のテストプランとレポート のようになります。

これを柱にして、さらに細かい必要なスキルなどが書かれているのが普通です。

日本の採用形態の場合、ある特定の仕事に就くとうより、会社に入るという意味合いが大きいため、「役割」と「責任」を意識する機会が少ないと思います。しかし、シリコンバレーをはじめとする海外の場合、特定の仕事に対する求人という考え方が強い場合が多いので、「役割」と「責任」がとても重要になってきます。従って、意識をしないと上手く仕事に就けなかったり、仕事を獲得できないことになるので自然と意識するようになっています。

どうして、「役割」と「責任」が大切なのか?

でも、どうして?と思われる方も多いかと思います。 もちろんちゃんとした理由があるからです。

例えば、職歴や経歴を聞かれた時に、誰でも知っている「XXX の Web サイト(Web サービス)」の開発に従事したと言うとインパクトが強いので良いと思う方が多いかと思います。

ところがです、その開発の統括責任者と、そのサービスのある一部の機能のプログラムを書いた人では実際にやった事は全く違うと言うのは恐らくどなたでもお分かりになるかと思います。

しかし、「XXX の Web サイトの開発に従事」と言うだけではどちらの方にも該当しますよね?

そこで、知りたくなるのは、そのプロジェクトで実際に何をやったかと言うことになります。

一人の人は、プロジェクト全体の企画から初めて、チームの編成、全体の設計、仕事の割り振り、スケジュールの作成と管理を行い、円滑にプロジェクトを取りまとめて、予定通り開発を完了させたとすれば、役割はプロジェクトの統括責任者で、責任はプロジェクトを成功させる事になります。そのために、チームの編成から設計、仕事やスケジュールの管理を統括したと言うことになります。

もう一人の人の場合は、与えられた、機能の要求事項を元に、モジュールの設計・コーディングとモジュール完成後の基本機能の試験を行ったということになります。役割は、モジュールの設計開発と検証で、責任はドキュメントの作成(設計仕様書、テストプランとレポート、操作説明書など)と、プログラムのコーディング、デバッグと試験です。

全く別の経歴ですよね?

以前の投稿にも書きましたが、プロジェクトや会社はあくまで「場所」を指すだけで「人」を指すものではありません。 一方で役割や責任は「人」を指します。従って、その人を知りたい場合に必要なのは、「場所」ではなくて、あくまで、人を指す「役割」と「責任」になります。だから、「役割」と「責任」をより具体的に表現するのが大切なのです。

実践していないと語れない「役割」と「責任」

開発の成果物は、「形」になる場合が殆どなので、その成果物に関する事は、それに関わった人ならば大抵はかなり具体的に語れるものです。しかし、それは「物」に対する説明になります。繰り返しになりますが、仕事を発注する際や人を採用する際に気にするのは、その人が「作ったもの」より、その人が「やった事」の方に興味があるものです。

ところが多くの人が説明したがるのは、実に「物」の方がはるかに多くなります。実際は、その人がその物にどう関わったかが大切で、物を通して他の人とどう関わったかがポイントです。実は、こちらの方は、実際にやった人でないと詳細を語るのはとても難しくなります。例え人がやったことでも、その人の仕事をよく見ていないとなかなか詳細まではわかりません。よく見ていると言うことは、その人の仕事を通して、その別の人と深く関わったということです。

シリコンバレーをはじめとする海外の採用面接では、採用の中心や仕事の発注はその仕事を実際に手がけている部署が中心で判断する場合が殆どです。採用の場合でも、人事が主導で決定する場合は余りありません。つまり、募集する仕事には相当詳しい人が出てくる場合が多くなります。そうすると、その仕事(役割)をやったことがある人にしかわからないことが何かもよく知っています。 従って、やっていないことをやったように見せるのは相当至難の技です。逆に言えば、そうした経験のある人が見抜けないレベルできちんと説明できれば、実際はやった事がなくても、十分仕事をこなす資質があるとみなしても問題出ない場合が殆どです。

役割を語る上でのポイントは:

  • 実行(実践)するためのポイントや手順
  • 実行(実践)する上での課題やよくある問題点
  • 実行(実践)に必要な時間
  • 実行(実践)のための工夫(基本的に、課題や問題点の解決策や回避策)

をきちんと、根拠を持って説明できると大きな説得力になります。

どこで役に立つか?

ここまで書いてくると、「役割」と「責任」がどこで役に立つかと言うのもお分かりの方も多いと思います。

実は、いろいろな場面でとても役に立ちます!

  • 就職や仕事の獲得 (レジュメの作成や面接)
  • 仕事の実行(実践)
  • 仕事の割り当てや管理

です。言い換えるとどう言うことかというと

  • 人に伝える場面
  • 自分で実行する場面
  • 人に頼む場面

つまり、仕事をする際にどの立場でも重要と言うことがお分かりかと思います。

仕事を具体的にわかりやすくするには、「責任」と「役割」をきちんと決めて表現することが大切ということになります。

まとめ

「役割」と「責任」はシリコンバレーをはじめとする海外の仕事の場で、よく耳にする言葉です。 実は、この二つの言葉こそが「仕事」を具体的に表すキーワードになっているからです。

従って、採用から仕事の割り当て、実行もこの「役割」と「責任」がハッキリするとやることが鮮明になるので、仕事が円滑に進みます。あとは、仕事を管理する人が、この役割と責任の隙間を上手く理解して管理することで、プロジェクト全体がスムーズに進みます。

ちょっとしたことですが、仕事に関わる時はこの「役割」と「責任」に意識を向けるとうまくいきます!

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