知っていますか!?ニッチの正しい解釈

知っていますか!?ニッチの正しい解釈

2021年11月24日



知っていますか!?ニッチの正しい解釈

ニッチ(niche)というと、日本では「隙間」のように解釈される事が多いですが、実際は少しニュアンスが違います。

ニッチマーケットとは?

ニッチは、英語の「niche」で確かに隙間という意味もあります。 ビジネスでよく言われるニッチマーケットは、隙間マーケットのような感じで捉えられている場合が沢山あります。

実は、この捉え方は本来のニッチマーケットと言われているのとは少し違うのをご存知ですか?

もう少し分かりやすく説明すると、A というマーケットと、B というマーケットがある場合、A でも B でも無い部分をニッチマーケットと考えてしまう場合が多いという事です。 つまり、A と B に属さない新たなマーケットを指していると考えているわけです。これは、集合を表す「ベン図(Venn diagram)」を書くともう少し分かりやすくなります。

のようになります。真ん中のブルーの部分がニッチと見做されている部分です。

実際に英語で言われているニッチマーケットは?

こうした「隙間」のマーケットが存在するのも事実で、この考え方が完全に間違っているという事では無いのですが、実は、本来英語で言われているニッチマーケットは少し違った意味で使われています。

先ほどの例をそのまま使うと、A というマーケットの一部をニッチと呼んでいる場合が殆どです。

これもベン図を使うと分かりやすいので書いてみます。

のように A のマーケットの一部を指しています。

このように図に書くと分かりやすいのですが、もう少し具体的な例を挙げると、例えば A というマーケットはカメラのマーケットだとします。このブルーの部分は、プロが利用するような写真の撮影が可能な一眼タイプの高級カメラのマーケットというようなイメージです。

同じマーケットですが、よりターゲットを絞ったマーケットという事になります。

なぜニッチが大切か?

隙間という観点で考えた場合は、大きなマーケットには入らない部分で商品を売ることで、あまり競合しないのでビジネスを有利に進められるというような点を利点として扱っています。

一方で二つ目に挙げた物は、既存のマーケットの中で、ターゲットを絞り込んで特化することで、より専門的な商品にして、そのターゲット層により魅力的な商品を作ろうという考え方です。

先ほど例に挙げたカメラですが、一般の人が利用するカメラとプロが利用するカメラは目的も違うので同じ物ではありません。カメラのマーケットを全てカバーする為には、通常は一つの商品ではカバーできません。一般向けでも、初心者向けから、上級者やマニア向け、プロ向けといった具合に幾つかの商品ラインアップを揃える必要があります。しかし、これは大企業でないとなかなか難しくなります。

しかし、一つの分野に集中してビジネスをする場合、プロ向けに特化して商品を作ってその分野で勝負するという考え方の方が、経営資源を集中できるので大企業でなくてもビジネスチャンスが出てくるという事です。

現実には、カメラのマーケットでは大企業でないと難しい要素が多いですが、コンセプトは対象とするターゲットを絞りこんんで勝負する事で、持っているリソースを集中させて効率的にビジネスを進められるという意味でニッチが大切という事になります。

フリーランスの場合も同じ

フリーランスは基本的に個人事業である場合が殆どです。つまり、使えるリソースは限られています。 従って、対象を絞り込むことで、より効果的に商品を作ってビジネスを進める上で、ニッチを絞り込むことはとても大切です。

これは、SEO なども同じで、例えば「Web 開発」というような、いろいろな分野の開発が含まれるような検索語で表示順位の上位を目指すのは大変ですが、「XXX のための」Web 開発のように、対象を絞り込んで専門性を全面に出した方が、その分野で成功する可能性が高まります。

ニッチを隙間と捉えるか専門性(特定の分野)と捉えるかでその方向性は変わりますが、お勧めする方向性は、より専門性を軸とした方向を作る方が成功への近道といえます。

まとめ

英語を使ったコンセプトなどは、実は本来言われていたのとは少し違った形で広まっているものも少なくありません。実際に辞書を引くとそうした本来とは少し違ったニュアンスで言われている事も完全に誤っているわけではありませんが、本家の解説を読むと、少し違った解釈がされている場合も結構あります。

違った解釈が悪いわけではなく、そちらも理解した上で、本来の解釈も知っているとビジネスなどを進める場合には有利に働く場合が沢山あります。「ニッチ」はその良い例ではないかと思い紹介してみました。

本来の考え方に加えて、日本でよく言われている解釈も間違いではありません。しかし、本来の解釈を知っているのと知らないので選択肢も変わってきます。英語の言葉は一度本来の解釈に触れてみると参考になることが沢山あります。

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